2020年5月9日土曜日

愛読書ブックカバーリレー:2冊目。

茶房・犀せいの村井さんから、この私へリレーバトンが回って来て2日目。 
ブックカバーUP2冊目は、和菓子界のソニーと言われた「叶匠寿庵」創業者 芝田清次さんの「花雲水」。 大津市役所観光物産課を辞め 39才で独立、素人から日本一の菓子メーカーを1代で築く。その感動の事業哲学やエピソードが この1冊に詰まっている。1985年 講談社出版、その7年後 残念ながら他界された。
柴田さんとの出逢いは、ある出来事から・・・。1983年頃、私は金沢の和菓子屋のデザインをしていた。参考にと2月 京都・哲学の道「叶匠寿庵」支店を訪ね、噂通りの素晴らしい接客に感心・脱帽し帰沢。帰宅し その折に買った和菓子のシールに驚いた。日付が昨年になっていたのだ。お菓子は新品だったし1,000円程度の菓子なので、思い悩んだが やはりお知らせした方が良いと思い手紙を書いた。
手紙が届いた頃、お店から電話が掛かってきた。今、オーナーの柴田が車で一人運転し 金沢へ向かったので会って頂きたいとの事。夕方 到着された柴田さんは、まず合掌し お詫びし 代替えの和菓子を沢山差し出され、生涯の恥と自分を責めておられた。その姿は何故か 神々しく見えた。その頃「叶匠寿庵」は、もう年商約60億になっていたと思うが 初めてお菓子を買った私に頭を下げる柴田さんに 一寸の奢りなく、真の商人道を歩む姿を見た。
その後、親しくお付き合い いや むしろ教えを受けに大津へ通う仲となった。この本の51Pに 私とのエピソードを書いておられる。柴田さんから人間としての生き方を多く学びました。そして、「寿長生の郷」オープン時のパンフレットもデザインさせて頂き感謝尽きません。9年足らずの短いお付き合いでしたが、流れ星のような煌く実り多い日々でした。


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